このたびは貴会設立25周年を迎えられ、誠におめでとうございます。世界が不況に陥った厳しい時代下に教育のグローバル化を標榜し、各国の業界団体と連携して学生たちを支えて来られましたことに、深甚なる敬意を表します。

文科相時代に「トビタテ！留学JAPAN」をスタートさせたのも、我が国にとってグローバル人材を育成することは緊急の課題であると考えたからに他なりません。従来を遙かに超えるスピードで世界が大きな変革へと向かう今、異文化を理解・尊重でき、尚且つ我が国の歴史や文化に誇りを持ち、国際舞台で自らの意見を堂々と述べられる人材なくして、我が国の発展はあり得ません。

我が国は少子高齢化によりこのまま進めば2060年には人口が約4000万人減少し、全世界GDPに占める割合も、日本はかつての10％から2060年には3.2％に減少してしまうと予測されます。手をこまねいていては日本に明るい未来はありません。これに対して、私は教育により、国民の一人一人の付加価値を高めていくことこそが、日本にとって極めて大切なことであると信じております。「海外留学」も大変重要な教育手段であると考えております。

産学官が連携し、本人の志と能力さえあれば海外留学ができる仕組みづくりを今後も力強く進めることによって、若者たちが自信と誇りを持ち、自らの付加価値を高める―これこそが未来を創る大きな礎になると信じています。
貴会のより一層の協力と、貴会の今後尚一層のご発展を期待いたします。

JAOS設立25周年にあたり、お祝い申し上げますとともに、これまでの会員組織の皆様のご貢献に心より敬意を表します。

近年、留学は誰にとってもますます身近に、かつ重要になってきております。私どもブリティッシュ・カウンシルは、人間の多様性を尊重し、人と人との相互理解と信頼を築く機会を作り上げていくことを活動の信念としております。JAOSは25年の間に、そのような多様性に対する理解を深め、人と人との相互理解と信頼を築くことのできる留学の価値を広く紹介され、留学環境の整備に取り組まれてきました。

日本における留学のさらなる促進にとって、JAOSの活動は欠かすことのできないものであると確信しており、留学を目指す方々にとって安心できる留学環境の実現のために、今後も活動を継続していただけることを望んでおります。

貴機関および会員の皆様の今後のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。