ガイドライン Guideline
短期語学留学等の表示に関するガイドライン
2007年2月8日
ホームステイツアー等適正化協議会
NPO特定非営利活動法人 JAOS海外留学協会
2006年12月19日に公正取引委員会から「短期の語学留学等の表示に関する実態調査報告書」 が発表されました。これは、国民生活センターの報告書等で、留学斡旋サービスについて、苦情や相談が増えていることを背景に、公正取引委員会が短期語学留学等の広告表示に関して、一般消費者に誤認されるおそれのある表示を調査し、関係団体に表示の適正化に向けた取組を行なうよう要望したものです。
同報告書の中で留学斡旋業者の主な団体とされた、社団法人日本旅行業協会傘下のホームステイツアー等適正化協議会及びNPO特定非営利活動法人JAOS海外留学協議会では、この指摘を受け共同で「短期語学留学等の表示」に関してガイドラインを制定しました。
1.語学学校と大学の関係が明瞭でない表示
A.表示基準
- 大学において語学研修を行なう旨を表示する場合、大学が語学研修の運営主体ではない場合には、語学学校が運営主体である旨を明瞭に表示すること。
B.表示可能なタイトル
- オックスフォード大学で学ぶ夏期英語研修(運営:Oxford Study Service)
* このような表現の場合は同じページにわかりやすく「このプログラムはOxford Study Serviceが運営の語学学校の研修で、夏休み中のオックスフォード大学の教室を使用します。」のような表示を入れること。
- Oxford Study Service夏期英語研修(研修施設:オックスフォード大学)
- オックスフォード夏期英語研修(研修施設:オックスフォード大学 / 運営:Oxford Study Service)
C.表示不可のタイトル
- オックスフォード大学で学ぶ夏期英語研修
- Oxford Study Service夏期英語研修(オックスフォード大学)
- オックスフォード夏期英語研修(オックスフォード大学 / Oxford Study Service)
留意点
- 表紙、メインタイトル、サブタイトル、目次、コースの一覧表等に大学名だけを表示してはならない。
- 表紙、メインタイトル、サブタイトル、目次、コースの一覧表等に大学名を表示する場合は、大学名と同等の大きさの文字で運営主体を表示しなければならない。また、大学名に太い活字や鮮やかな色を用いるなど、大学名をことさらに目立たせるような表示を行なってはならない。
- 単に大学名と運営主体名を併記してはならない。どちらが研修施設で、どちらが運営主体であるかも明瞭に表示すること。
- 説明文の中にも語学学校が運営主体である旨を明瞭に表示しなければならない。
2.語学学校における日本人比率の算定基準が明瞭でない表示
A.表示基準
- 語学学校における日本人比率を表示する場合は、語学学校のクラスに参加する時期及び参加する者の語学レベルによって日本人比率が大きく異なる旨を明瞭に表示すること。
B.具体的な表示
- 日本人の多い時期と、その時期の具体的な日本人比率を明記する。
例:日本人の割合20%(2006年度年間平均)、ただし、6月~8月は60%。
- クラスについては日本人だけになる場合もあると表示する。
例:英語レッスン初日にクラス分けテストが行なわれ、テストの結果として、1つのレベルやクラスに能力の似通った日本人が集中し、日本人だけになる場合があります。
C.留意点
- 日本人比率の平均を表示する時は、あわせて四半期毎か月毎の最高の日本人比率を必ず表示しなくてはならない。あわせて最小の日本人比率を表記してもよい。 ただし最小の日本人比率を表記する場合も最高の日本人比率と同等の大きさの文字で表示しなければならない。また、最小の日本人比率に太い活字や鮮やかな色を用いるなど、ことさらに目立たせるような表示を行なってはならない。
- 時期による日本人比率の変動については各語学学校毎に表示しなければならない。
- クラスによる日本人比率の変動については共通ページでの表示でかまわない。
3.ホストファミリーとの触れ合い等家庭環境が体験できるかのような表示
A.表示基準
- 現地における充実した家庭生活の体験やホストファミリーとの触れ合いの内容について表示をする場合は、ペイイングシステムによるホームステイにおいて、家 庭生活の体験やホストファミリーとの触れ合いが可能な場合と可能ではない場合がそれぞれどのような場合かを明瞭に表示すること。
B.具体的な表示
- 共通ページで個々のツアーについてホストファミリーがボランティアかペイイング・ホームステイかを明記した上で、ペイイング・ホームステイのホストファミリーの責務について必ず詳しく説明を加える。
例:ホストファミリーには参加者に対して宿泊するための部屋の提供と、規定回数の食事の提供が義務付けられています。最寄り駅までの送迎や週末の余暇を共に過ごすことなどがあったとしても、それはホストファミリーの厚意によるものです。
C.留意点
- 厚意で提供されるサービスをことさらに「必ず享受できる」ように表示してはならない。
4.ホストファミリーとの言語環境が明瞭でない表示
ホストファミリーとの会話により語学力の向上が可能となる旨の表示
A.表示基準
- ホストファミリーを通じて語学力が向上する旨の表示をする場合は、ホストファミリーの言語環境について、例えばホームステイ先が英語圏であれば、ホストファミリーが日常会話において英語を話す場合と話さない場合がそれぞれどのような場合であるかを明瞭に表示すること。
B.具体的な表示(英語圏の場合
- 家庭内で話す言語が英語である家庭(英語研修の場合)のみと契約が可能な場合は、「家庭で英語が学べる」と表示できる。
C.留意点
- ホストファミリーとの会話により語学力の向上が可能な旨の表示を行なわない場合であっても、家庭内で話す言語が英語以外である家庭(英語研修の場合)を含む契約の場合は、共通ページに英語以外の言語が使用される可能性もあることを明記する。
例:ホームステイ先では、生徒との会話以外の場合(家族同士など)、英語以外の言語が話される場合があります。
5.公的機関と紛らわしい事業者名
A.表示基準
- 事業者名として「○○協会」「○○センター」等の屋号の他に、株式会社名等が別にある場合は、その名称も屋号と併せて、屋号と同等かそれ以上の大きさの文字で表示すること。
- 「○○協会」「○○センター」が事業者名である場合には、「株式会社○○協会」「株式会社○○センター」等と表示すること。
6.業界NO.1等の表示
A.表示基準
- 優位性を意味する用語は、客観的事実に基づく具体的数値又はその根拠なしに使用することはできません。
- 「最大」「No.1」「業界随一」「唯一」等の表示を行なう際には、合理的な根拠を記載すること。
B.留意点
- 客観的、具体的な事実に基づいたものであり、かつ、その事実を併せて表示する場合のみ使用できる。
- 「旅行広告・取引条件説明書面ガイドライン」Ⅶ-6「旅行業者等の業務の範囲、資力、信用に関する事項」(通称「赤本」平成17年12月発行p159)が適用されます。
7.外国政府による推薦がなされている旨の表示
A.表示基準
- 「○○大使館賛同」「○○国××省認定」等の表示を行なう際には、事実に反して表示することはできません。
B.留意点
- 客観的、具体的な事実に基づいたものであり、かつ、その事実を併せて表示する場合のみ使用できる。
- 大使館などとは書面を交わし、消費者から根拠を求められたら開示できるようにしておく。
8.体験談
A.表示基準
- 留学あっせん業者が留学生の体験談を掲載する場合は、事実に即したものとするとともに、留学した時期(年月)を表示すること。
B.留意点
- 海外の語学学校から提供された体験談を用いてもいいが、その内容が正当なものであるか留意すると共に、留学した時期(年月)を表示すること。
9.今後の対応
A.本ガイドラインの適用
- 本ガイドラインは2007年4月1日から有効とする。
- 2007年9月1日以降に発表されるパンフレット等については本ガイドラインを遵守すること。
- 2007年4月1日以降も有効なパンフレットをすでに作成している場合は、本ガイドラインに留意した説明文をはさみこむことが望ましい。また、契約時に本ガイドラインに十分留意して、書面をもってお客様に説明すること。